第6回|インターネット誕生の小さな奇跡

当サイトでは、コンテンツの一部に広告を掲載しています。
第6回|インターネット誕生の小さな奇跡

やさしい UNIX & Linux | 第6回

目次

インターネットが生まれる前の世界

コンピューターは孤立した存在だった

今、私たちは当たり前のように
メールを送り、ページを開き、世界中の人とつながっています。

けれど、インターネットが生まれる前、
コンピューターはとても孤独な存在でした。

一台のコンピューターは、一つの部屋の中で完結し、
その中で何が起きているのかは、外からは分かりません。

そんな時代に、ある人たちが思いました。

  • 「遠くの研究者と、同じ情報を見られたらいいな」
  • 「もし一部が壊れても、全部が止まらない仕組みは作れないだろうか」

インターネットの物語は、
このとても素朴で、人間らしい願いから始まります。

コンピューターをつなぐという発想

巨大で高価だった1960年代のコンピューター

1960年代のコンピューターは、
今のパソコンとは比べものにならないほど大きく、高価でした。

使えるのは、大学や研究所など、限られた場所だけ。
しかも、同じ場所にいなければ、その計算結果を見ることもできません。

そこで生まれたのが、
「コンピューター同士をつなぐ」という発想でした。

それは、何かを派手に変えるためではありません。
同じ計算を、同じ情報を、無駄なく共有したい
ただ、それだけの理由でした。

こうして、孤立していた「点」のようなコンピューターたちは、
少しずつ「線」を求め始めます。

壊れても止まらないネットワークの考え方

冷戦時代が生んだ分散型ネットワーク

この時代、世界は冷戦のまっただ中でした。

「もし通信の中心が壊れたら、すべてが止まってしまう」
そんな不安が、研究者たちの頭にありました。

この時代、世界は冷戦のまっただ中でした。

そこで考え出されたのが、
中心を持たないネットワークです。

王様のいる一本道ではなく、
小さな道がたくさん集まった町のような仕組み。

どこかが通れなくなっても、
別の道を使えば目的地にたどり着ける。

この考え方は、
後のインターネットの“心”になる、とても大切な発想でした。

ARPANET(アーパネット)というインターネットの原型

最初につながったのは4つの大学

1969年、アメリカで始まった小さな実験。
それが ARPANET (アーパネット)です。

最初につながったのは、たった4つの大学。
世界を変えるとは、とても思えない規模でした。

しかも、最初に送られたメッセージは失敗します。
文字をすべて送る前に、通信が止まってしまったのです。

けれど、そのつまずきが、この仕組みを育てていきました。

完璧ではなかったから、
直しながら、広げながら、育てていくことができた。

インターネットは、
最初から完成した発明ではありませんでした。

世界共通のルールが広げたインターネット

TCP/IPという通信の約束

やがて、ネットワークを広げるために
共通の約束が必要になります。

それが、TCP/IP と呼ばれる通信のルールです。

大切なのは、
この仕組みが 特定の会社のものではなかった ということ。

「このルールを使えば、誰でもつながれる」

世界中がそう決めたことで、
ネットワークは一気に広がっていきました。

所有されなかったからこそ、
インターネットは、みんなのものになったのです。

研究室から社会へ広がるネットワーク

軍事・研究から教育、そして一般へ

最初は軍事や研究のためだったネットワークは、
やがて大学へ、教育へ、そして社会へと広がっていきます。

気づけば、研究室の中だけの存在ではなくなり、
私たちの日常のすぐそばにありました。

誰かの特別な道具ではなく、
世界そのものをつなぐ土台として。

インターネットが世界を変えた理由

情報の持ち主が変わった

インターネットが変えたのは、
便利さだけではありません。

情報は、限られた人のものではなくなりました。
距離は、壁ではなくなりました。
そして、個人の声が、世界に届くようになりました。

小さな研究室で始まった仕組みが、
人と人の距離感そのものを変えてしまったのです。

小さな奇跡は今も続いている

完成品ではなく、育てられてきた仕組み

インターネットは、
ある日突然生まれた魔法ではありません。

無名の人たちが、
「こうしたほうがいいかもしれない」と
静かに選び続けた結果、生まれたものです。

そして今も、その奇跡は続いています。

次は、
つながった世界に、情報があふれ始めたときの物語

検索エンジンとウェブが、
どんなふうに世界を変えていったのかを見ていきましょう。

次へつながる、小さな予告

次回は、
つながった世界に情報があふれ始めたときの物語。
ウェブと検索エンジンが、
どのように世界を変えていったのかを見ていきます。

さらに学びたいあなたへ

📘 用途ごとに選ぶ Linux のおすすめ本

あわせて読みたい
レベル・用途別おすすめ Linux 本リスト|UNIX Cafe UNIX Cafe | 第65回 Linux の世界には、「はじめて触る人」「コマンドを覚えはじめた人」「サーバーに挑戦したい人」と、さまざまな段階があります。そんなときに、自分...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

のいのアバター のい UNIX Cafe 編集部

UNIX Cafe は、むずかしい言葉をできるだけ使わず、物語を読むような気持ちで気軽に学べる場所です。
プログラミングは、アイデアをコンピューターに伝えるための「ことば」。
簡単な単語と文法を覚えることで、誰でもターミナルから便利なコマンドを使えるようになります。
コーヒーを片手に立ち寄るような気持ちで、やさしいプログラミングの世界を、
そっとのぞいてみてください。

目次