
やさしい UNIX & Linux | 第10回
VPSの話をはじめる前に
これまでの回で、私たちは
「ファイル」や「コマンド」、
そして「サーバー」という言葉に、少しずつ触れてきました。
でも、どこかまだ、
サーバーは「自分とは関係のない遠い存在」に
感じていたかもしれません。
この回では、
はじめて「自分のサーバー」を持つ、という体験を通して、
コンピューターの世界が、ぐっと身近になる瞬間を描いていきます。
むずかしい設定や専門用語は、あとで大丈夫。
まずは、「VPSって、どんな考え方なんだろう?」
そんな気持ちで、ページを読み進めてみてください。
VPSとは?はじめての人にもわかる基本の考え方
雲の話を聞いたあと、ミナちゃんは、少しだけ空を見上げていました。
「サーバーって、
どこか遠いところで、
勝手に動いているものなんだよね……」
そんなふうに思っていたのです。
VPS(Virtual Private Server)の意味
ユニ先生は、ゆっくりカップを置いて言いました。
「クラウドはね、
とても大きな“場所”なんだ。
でも今日は、
その中にある
ひとつの小さな部屋の話をしよう」
「部屋……?」
「そう。
それが VPS だよ」
VPS は Virtual Private Server の略です。
むずかしい名前ですが、考え方はとてもシンプルです。
1台のサーバーを区切って使う仕組み
大きなサーバーを、
見えない壁で区切って、
ひとりずつ使えるようにしたもの。
同じ建物の中にありながら、
それぞれが自分専用の場所を持っています。
なぜVPSは「自分のサーバー」と呼ばれるのか
ミナちゃんは、少し考えました。
「それって……
レンタルサーバーと何が違うんですか?」
ユニ先生は、にこっと笑いました。
root 権限があるということ
VPS では、
サーバーの管理者としてログインできます。
中で何が起きているのかを、
ちゃんと見ることができる。
それが、とても大きな違いでした。
OSや設定を自分で決められる自由
- Linux の種類を自分で選べて
- 設定を自分で変えて
- 必要なら再起動もできる
サーバーの中身に、
自分の手がちゃんと届きます。
レンタルサーバーとの大きな違い
レンタルサーバーは、とても便利です。
でも、用意された範囲の中で使う仕組み。
VPS は、
「どう使うか」を自分で決められる場所でした。
クラウドとVPSの関係をやさしく整理
ミナちゃんは、「クラウド」と「VPS」の関係が少し気になってきました。
クラウドという大きな仕組みの中のVPS
VPS は、
クラウドという大きな仕組みの中にあります。
雲の中にある、
小さな部屋のひとつ。
IaaSの入り口としてのVPS
VPS は IaaS と呼ばれる分野に含まれます。
でも、今は
「クラウドの中で、いちばん触りやすい形」
そう覚えておけば十分です。
クラウド学習の前にVPSが向いている理由
VPS を使うと、
クラウドが「仕組み」として見えてきます。
遠かった雲が、
少しだけ近づく感覚です。
VPSは「雲の中の一人部屋」
ユニ先生は、こんなたとえを使いました。
クラウド・VPS・レンタルサーバーのたとえ
- クラウド → 大きな建物
- VPS → 鍵付きの一人部屋
- レンタルサーバー → 相部屋
「相部屋は楽だけど、勝手に模様替えはできないよね」
なぜ初心者にイメージしやすいのか
ミナちゃんは、
なんとなく、うなずきました。
「一人部屋なら、
失敗しても大丈夫な気がします」
VPSでできること|はじめてでも試せる使い道
自分のWebサイトを公開する
小さな Web サイトを置くだけでも、
「サーバーが動いている」感覚がつかめます。
WordPressを自分で動かす
レンタルサーバーとは違い、
裏側の仕組みも見えます。
Linuxとコマンド操作の練習
ターミナルで操作することで、
Linux が静かに働いていることが分かります。
「勉強用の、小さな実験室」
そんな言葉が、ミナちゃんの頭に浮かびました。
VPSは難しい?不安に感じる理由と現実
「でも、黒い画面って、ちょっとこわいです……」
ミナちゃんは、正直に言いました。
黒い画面(ターミナル)がこわい理由
見たことのない画面は、誰でも不安になります。
失敗しても作り直せる安心感
ユニ先生は、うなずきます。
「VPS はね、失敗しても、また作り直せる」
「壊してもいいんですか?」
「うん。それが、いちばん大事なところだ」
月数百円から始められる現実的なコスト
高価な機械を買わなくても、
小さく始められるのも VPS の良さでした。
VPSが向いている人・向いていない人
VPSが向いている人の特徴
- 仕組みを知りたい
- Linux に触れてみたい
- クラウドを理解したい
レンタルサーバーのほうが合う人
- 設定はしたくない
- 管理はすべて任せたい
VPSを使うと見えてくる世界
サーバーとネットワークの関係
サーバーは、
ちゃんと「つながって」動いています。
Linuxが「動いている」と実感できる瞬間
ただ存在するのではなく、
今も働いている。
それを感じられるようになります。
クラウドの正体が身近になる
雲の正体が、
少しずつ輪郭を持ちはじめます。
はじめてのVPSは、ゴールではなく入口
学習用サーバーとしてのVPSの価値
VPS は、
すべてを知るための答えではありません。
でも、手で触って感じる入口には、
ちょうどいい場所です。
次のステップにつながる経験
ミナちゃんは、
もう一度空を見上げました。
でも、さっきよりも、
少しだけ近く感じます。
はじめてのVPS、どこで試す?
「触って覚える」ために、
まずは VPS をひとつ試してみたい方へ。
はじめての VPS は、
性能よりも 安心して触れること が大切です。
- 管理画面が分かりやすい
- 小さなプランから始められる
- 失敗しても作り直しやすい
そんな条件がそろったサービスなら、
無理なく一歩を踏み出せます。
気になる方は、
公式ページで料金やプランを
確認してみてください。
(PR)VPSサービスの例
- さくらのVPS (昔から定番で情報が多い)
- ConoHa VPS (管理画面がシンプル)
- シンVPS (新しめで性能に余裕)
次回は、レンタルサーバー・VPS・クラウド、どう違うの?
3つの選択肢をひとつの地図で整理する
次は、
よく名前を聞くこの3つ。
- レンタルサーバー
- VPS
- クラウド
「どれを選べばいいの?」
その答えを、ひとつの地図にまとめてみましょう。
さらに学びたいあなたへ
📘 用途ごとに選ぶ Linux のおすすめ本

