
UNIX Cafe | 第57回
vi が入力できなくて不安になった、その理由
ミナちゃん「文字を打てないだけで、こんなに不安になるんですね……」
vi を開いたのに、なぜか文字が入力できない。
キーを押しても反応がなく、「壊れた?」「何か間違えた?」と不安になる。
vi をはじめて触った人の多くが、一度はこの感覚を経験します。
でも実は、それは失敗でも故障でもありません。
vi が今、どんな状態にいるのかを知らないだけなのです。
このページでは、vi が持っている 「2つの時間(モード)」 をやさしく説明します。
ここが分かると、「vi がこわい」という気持ちは、自然と消えていきます。
vi の “2つの時間” とは?
vi は、ずっと入力できるわけではない
多くのテキストエディタは、
開いた瞬間から文字を入力できます。
でも vi は少し違います。
vi には、役割の違う2つの状態があります。
- 文字を入力するための時間
- 操作の指示を待つ時間
この切り替えを知らないと、
「入力できない」「反応がない」と感じてしまいます。
入力していい時間(インサートモード)
文字を自由に入力できる状態を、
インサートモード と呼びます。
このモードに入るには、キーボードの i を押します。
画面の下に INSERT と表示されたら、
それが合図です。
この時間は、
vi が「うん、話していいよ」と言ってくれている状態。
普通のエディタと同じように、文字を打てます。
命令を聞く時間(コマンドモード)



「入力できないのは、間違いじゃない。
いまは“聞く時間”にいるだけなんだよ」
反対に、文字が入力できないとき。
それは vi が コマンドモード にいる証拠です。
この時間、vi はこう考えています。
- 「どこへ移動する?」
- 「何を消す?」
- 「どう保存する?」
つまり、操作の命令を待っている時間なのです。
キーを押しても文字が出ないのは、vi が黙って聞いている状態だから。
失敗ではありません。
なぜ「入力できない」と不安になるのか
多くの人が最初につまずくポイント
vi がこわく感じられる理由は、だいたい同じです。
- 文字が打てなくて焦った
- 画面が止まったように見えた
- 抜け方が分からなかった
でも、原因はとてもシンプル。
今いるモードを、取り違えているだけです。
Esc は「安心して戻れる場所」
Esc を押せば、必ず立て直せる
vi を使う上で、いちばん大切なキーは Esc です。
Esc を押すと、
vi は必ず コマンドモード に戻ります。
- どんな状態でも
- どんな操作をしていても
一度落ち着いて立て直せる。
Esc は、vi の中の「帰れる場所」です。
Esc があるから、vi は壊れにくい
- 迷ったら Esc
- 何か変だと思ったら Esc
これだけで、
取り返しのつかない状態になることは、ほとんどありません。
vi が長いあいだ使われてきた理由のひとつは、
この 「必ず戻れる設計」 にあります。
モード切り替えを体で覚えてみよう
i → 入力する / Esc → 戻る
vi の操作は、とてもシンプルです。
- i を押す → 入力する
- Esc を押す → 戻る
これを繰り返すだけ。
難しい理屈は必要ありません。
まずは、リズムで覚えてみてください。
vi は“リズムのあるエディタ”
- 話す時間
- 聞く時間
- そして、戻る
この切り替えが分かってくると、
vi の操作は少しずつ気持ちよくなってきます。
考えなくても、
指が自然に動くようになる。
それが、vi の面白さです。
よくある勘違いを整理しよう
- 入力できない=壊れた → ちがいます
- Esc は非常用 → いつでも押してOK
- i を押し続ける必要がある → 一度で十分
困ったら Esc。
それだけ覚えていれば、vi は怖くありません。



「なるほど……戻れる場所があるって、安心ですね」
まとめ|vi がやさしく見えてくる瞬間
vi には、
- 文字を入力する時間(インサートモード)
- 命令を伝える時間(コマンドモード)
この2つがあります。
- i で話す
- Esc で落ち着く
この仕組みが分かるだけで、
「あれ、入力できない…」という不安は、すっと消えます。
vi は、思っていたよりずっと、やさしい道具です。
viが初めての方は、こちらのページも参考にしてください。


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