本記事の構成および論理分析にはAI(人工知能)を使用しています。情報の正確性は、システム管理者(UNIXユーザー)による手動検証済みです。
第1回 | Git は何をする道具なのか | 変更を安全に記録するという考え方をやさしく整理する | UNIX Cafe

Git 入門 | 第1回
Git という名前は聞いたことがあっても、「開発する人が使う難しいもの」という印象を持っている方は多いと思います。最初の段階では、その印象のせいで手を出しづらくなりがちです。
でも、Git を最初から難しく考える必要はありません。まず大事なのは、Git を変更を安全に記録する道具として見ることです。今回はその入口として、Git が何を助けてくれるのかを初心者向けにやさしく整理します。
動画で流れを先に見たい方は、UNIX Cafe の YouTube もあわせてどうぞ。記事と同じく、初心者向けのやさしい流れで、ターミナルの最初の一歩を確認できます。
📝 この記事で学べること
- Git を最初にどう捉えればよいか
- Git がなぜ必要になるのか(失敗例から考える)
- Git が「保存」ではなく「記録」の道具と言われる理由
- リポジトリとコミットという2つの言葉の意味
- このシリーズで学んでいく流れ
Git がなぜ必要になるのか
まずは、Git を使わずに作業を続けたときに起きやすい、ありがちな場面を思い浮かべてみてください。
設定ファイルを少し編集したら、それまで動いていたものが動かなくなった。でも、何を変えたのかもう覚えていない。バックアップを取っていなかったので、元に戻せない——そういった経験をしたことがある方は少なくないと思います。
あるいは、「念のため」と思って config.txt を config_bak.txt や config_20240501.txt という名前でコピーしておいたことはないでしょうか。ファイルが増えていくにつれて、どれが最新なのか、どこを変えたのかが分からなくなっていきます。
Git は、こうした状況を整理するための道具です。「何をいつ変えたか」を記録しておくことで、あとで見返したり、必要なら変更前の状態に戻したりすることができます。
Git は「変更を整理して残す」ための道具
たとえば vi で文章を直したり、設定ファイルを少し修正したりしたあとに、「何を変えたのか」「いつ変えたのか」「前の状態へ戻せるのか」が分かると安心できます。Git は、そうした不安を減らすための道具です。
ここで大事なのは、Git をコードを書く道具としてではなく、変更を記録し、あとから見返せる形にする道具として捉えることです。最初の理解としては、それで十分です。
| 作業で気になること | Git が助けてくれること |
|---|---|
| 何を変えたか忘れそう | 変更内容を追いやすくする |
| あとで見返したい | 履歴として残せる |
| やり直したい | 戻す判断をしやすくする |
| バックアップファイルが増えてきた | ファイルを増やさずに履歴を管理できる |
| いつ・何のために変えたか思い出せない | 変更にメモを添えて記録できる |
「保存」と「記録」は何が違うのか
Git の話をするときに「記録」という言葉をよく使いますが、普段ファイルを「保存」することとどう違うのかを少し整理しておきましょう。
ファイルを保存するとき、上書き保存をすると以前の内容は消えます。手元に残るのは「今の状態」だけです。これは日記に書いたことをあとから消しゴムで消して書き直すようなイメージです。何が書いてあったかは、もう分かりません。
一方で Git の「記録」は、日記の余白にメモを書き足していくイメージに近いです。今日書いたことを消さずに、「今日はここを直した、理由はこれ」と添えて残しておく。昨日の内容も、先週の内容も、ずっと見返せる状態になっています。
Git がただの保存ではなく「記録」と呼ばれるのは、変更の内容・日時・理由をまとめてひとつの単位として残せるからです。このひとまとまりの記録のことを、Git ではコミットと呼びます。
知っておきたい2つの言葉:リポジトリとコミット
Git を使い始めると、すぐに出てくる言葉が2つあります。難しく見えますが、意味はシンプルです。
ひとつ目はリポジトリです。これは「Git が変更履歴を管理するための入れ物」のことです。あるフォルダを Git で管理し始めると、そのフォルダがリポジトリになります。Git はそのフォルダの中に .git という隠しフォルダを作り、変更の記録をそこに保存していきます。普段は意識しなくて構いませんが、「Git が記録を置いている場所」くらいに覚えておくと分かりやすいです。
ふたつ目はコミットです。これは「今の状態をひとつの記録として残す」操作のことです。作業がひと区切りついたタイミングで「ここまでの変更を記録しておく」という操作がコミットです。コミットには短いメモ(コミットメッセージ)を添えることができるので、あとから「このときに何をしたか」が分かるようになります。
| 言葉 | ひとことで言うと | 日常的なたとえ |
|---|---|---|
| リポジトリ | 変更履歴を管理するフォルダ | 記録をまとめたバインダー |
| コミット | 今の状態をひとつの記録として残す | 日付入りで日記に書き留める |
この2つを頭の片隅に置いておくだけで、これから出てくるコマンドの意味がかなり捉えやすくなります。
最初から全部覚える必要はありません
Git にはたくさんのコマンドがありますが、入門段階でそれらを一気に覚える必要はありません。まずは次の流れが見えてくれば十分です。
- 今どんな状態かを見る
- 必要な変更を選ぶ
- それを記録する
- あとで見返す
- 必要なら戻す
この流れを順番に理解していくと、Git は急に「難しい専門用語の集合」ではなく、「作業を落ち着いて進めるための道具」に見えてきます。
まずは Git が使えるか確認してみましょう
ターミナルの開き方は、macOS なら「アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル」、Ubuntu など Linux 環境なら Ctrl+Alt+T で起動できます。
手元の環境で Git が使えるかどうかは、ターミナルで次のコマンドを実行すると確認できます。
git --versionバージョン番号が表示されれば、Git は使える状態です。たとえば次のように表示されます。
git version 2.43.0バージョンの数字は環境によって異なりますが、git version から始まる行が表示されれば問題ありません。
もし command not found のようなエラーが出た場合は、Git がまだインストールされていません。使っている OS に合わせて、次のコマンドで導入できます。
macOS の場合:
xcode-select --installLinux(Ubuntu など)の場合:
sudo apt install gitインストール後、もう一度 git --version を実行して、バージョン番号が表示されれば準備完了です。
試しにリポジトリを作ってみる
Git が使えることを確認できたら、実際にリポジトリを作ってみましょう。やることはとてもシンプルです。管理したいフォルダに移動して、git init を実行するだけです。
たとえば、ホームディレクトリに練習用のフォルダを作って試してみましょう。
mkdir git-practice
cd git-practice
git initうまくいくと、次のようなメッセージが表示されます。
Initialized empty Git repository in /home/yourname/git-practice/.git/「空のリポジトリを初期化した」という意味のメッセージです。これで、このフォルダは Git が変更を記録できる場所になりました。中に .git という隠しフォルダが作られていますが、普段は触る必要はありません。Git がそこに記録を保存してくれます。
なお、git init は同じフォルダで何度実行しても問題はありませんが、通常は最初に一度だけ実行すれば十分です。すでに .git フォルダがあるフォルダで再度実行すると、Reinitialized existing Git repository と表示されます。これはエラーではありませんが、普段は気にしなくて構いません。
リポジトリが作れたら、次は「今このフォルダがどんな状態か」を確認するところから始めます。
試しにファイルを作って状態を見てみましょう
リポジトリが用意できたので、ひとつファイルを作って中に何か書いてみましょう。Git がそれをどう見ているか、次回の git status で確認するための準備になります。
echo "はじめてのファイル" > memo.txtこれで git-practice フォルダの中に memo.txt というファイルが作られました。内容を確認したいときは cat memo.txt と打てば見られます。この時点では、Git はまだこのファイルを「記録していない」状態です。Git が何を見ているかは、次回 git status で一緒に確認します。
ここではファイルが作れた、それだけで十分です。次回を楽しみにしていてください。
初心者がつまずきやすいポイント
Git は「コードを書く人だけのもの」ではない
Git はプログラマー向けのツールというイメージを持たれがちですが、設定ファイル、メモ、ドキュメントなど、テキストで管理するものであれば何にでも使えます。「変更を安全に残したい」という場面があれば、Git は役に立ちます。
GitHub とは別のもの
Git と GitHub はよく混同されますが、別のものです。Git はローカルで変更を記録する仕組み、GitHub はその記録をオンラインで共有するためのサービスです。このシリーズでは GitHub は扱わず、まずローカルでの作業に絞って進めます。
次回は git status から始めます
Git の最初の一歩として大切なのは、いきなり記録することではありません。まずは今の状態を落ち着いて確認することです。次回は git status を使って、作業中の状態を見る基本を確認します。
git status は「今このフォルダで何が起きているか」を教えてくれるコマンドです。今回作った memo.txt が Git にどう見えているか、次回一緒に確認してみましょう。
Git をこれから始める方は、「難しいことを覚える」よりも、「変更を安全に扱う流れを身につける」つもりで進めてみてください。それだけで学びやすさがかなり変わります。
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