
はじめてのC言語 | 第1回
機械の言葉から、人の言葉へ
プログラミング言語には、いろいろな種類があります。
でも、最初から
「人が読みやすい言葉」があったわけではありません。
はじめは、コンピューターに近い、
とても機械寄りの言葉から始まりました。
機械を直接動かすための、
短くて、正確で、融通のきかない言葉です。
その後、
- 「もっと書きやすくしたい」
- 「もっと分かりやすくしたい」
という必要が生まれ、
少しずつ、人に近い言葉が作られていきました。
今、私たちが使っている
読みやすいプログラミング言語は、
そうした長い流れの中で生まれたものです。
C言語は、その途中にあります。
人の言葉よりも、まだ機械に近い。
でも、機械そのものほどは、かたくない。
C言語は、機械と人のあいだに立つ言葉なのです。
C言語は「機械のキッチン」にある言葉
UNIX Cafeを思い浮かべてみてください。
表のカフェスペースでは、
注文も会話も、ゆったり進みます。
でも、カフェの奥には、
もうひとつの場所があります。
業務用のキッチンです。
そこでは、火力が強く、音も多く、
手順を少し間違えると、
思っていたのとは違う料理が出来上がります。
道具も、
「丁寧に扱う」だけでは足りなくて、
「仕組みを分かった上で使う」必要があります。
そのかわり、
うまく動かせたときの料理は、とても上質です。
狙ったとおりに、きれいに仕上がります。
C言語は、
そんな「機械のキッチン」で使われる言葉に近い存在です。
人に気をつかって説明してはくれません。
でも、こちらが正しく頼めば、
機械はきちんと動いてくれます。
人にやさしい言語と、機械に近い言語
最近のプログラミング言語は、
人にやさしく作られています。
多少あいまいでも、
コンピューターがうまく補ってくれます。
C言語は、そうではありません。
- どんな種類のデータなのか
- どこに置くのか
- どう扱うのか
それを、きちんと書く必要があります。
それは、冷たいからではありません。
C言語が、
機械の動きを、そのまま扱うための言葉
だからです。
なぜC言語はUNIXと深い関係があるの?
UNIXは、はじめからC言語で作られていたわけではありません。
最初のUNIXは、
もっと機械に近いアセンブリ言語で書かれていました。
でも、それでは不便でした。
- 読みにくい
- 直しにくい
- 別の機械で動かしにくい
そこで、UNIXを作っていた人たちは、
UNIXを書き直すための、新しい言葉を必要としました。
そのときに生まれたのが、C言語です。
C言語は、
UNIXのために作られ、
UNIXを書き直すために育てられました。
だからこの2つは、
あとから似てきたのではなく、
最初から一緒に歩いてきた関係なのです。
ミナちゃんの小さな気づき
ミナちゃんは、
カフェの奥のドアの前に立っています。
中からは、
カチャカチャ、という音。
少し緊張します。
でも、こうも思いました。
「ここは、
コンピューターが本気で働いている場所なんだ」
C言語は、
その場所で使われる、まじめな言葉。
だからこそ、
正確で、うそがありません。
まとめ|この回でわかったこと
ここまでで、C言語がどんな場所で使われてきた言葉なのか、
少しイメージができてきたかもしれません。
最後に、この回で大切だったポイントを、
静かに振り返ってみましょう。
- UNIXは最初、アセンブリ言語で書かれていた
- UNIXを改良するために、C言語が作られた
- C言語でUNIXを書き直したことで、移植性が高まった
- C言語とUNIXは、同じ思想を持って育ってきた
次回予告
次回は、
C言語で、最初のプログラムを作ってみます。
ほんの短いコードでも、
コンピューターは、ちゃんと応えてくれます。
Hello, UNIX Cafe!
その声が、
キッチンの奥から聞こえてくるはずです。
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