
カフェの秘密の部屋 | 第7回
静かな研究室に並んだ“ふたつの窓”
ミナちゃん先生、この部屋……パソコンの画面がずらっと並んでいますね。
どれも、少しずつ違う“窓”みたいです。



ふふ、その通り。ここは“ブラウザの歴史”が動いた部屋なんだ。
同じインターネットでも、どの窓から覗くかで世界の見え方が変わったんだよ。
Internet Explorer が“標準”だった時代



この青い“e”のマーク……見たことがあります!
昔のパソコンって、みんなこれを使ってたんですよね?



うん。Windows に最初から入っていたからね。当時は、ほとんどの人が Internet Explorer を使っていたんだ。“みんなが同じ窓を覗いていた時代”って感じだね。
そこに現れた挑戦者:Netscape



あれ、この紫のコンパスみたいなマーク……かわいいですね。



それが Netscape Navigator。インターネットが広がり始めたころ、一番人気だったブラウザなんだよ。“自由で軽快な窓”として、多くの人が使っていたんだ。
そして始まった“ブラウザ戦争”



戦争って名前がついているくらいですし……
かなり大変な争いだったんですか?



うん。Netscape と Internet Explorer が、スピードや機能を競い合った時代でね。まるで“どっちの窓の方が、景色をきれいに見せられるか”を争っているようだった。
決め手になったのは、“標準”というルール



景色がきれいでも、ルールが違っていたら困りますよね?



その通り。ブラウザが増えるほど、“どの窓から見ても同じ景色に見えるようにしよう”という考えが大事になっていったんだ。



HTMLやCSSが整ったことで、「どのブラウザでも同じように動く仕組み」が整っていったんですね。
Firefox と Chrome:新しい窓の登場



あっ、このキツネのマーク知ってます!
Firefox って、いまでも人気がありますよね。



うん。Netscape の思いを受け継いだのが Firefox。そのあと、しばらくしてから “さらに速さ” を追求した Google Chrome が現れてね。軽くて使いやすい“新しい窓”として、一気に広まっていったんだ。
“窓”は変わり続ける



…なんだか、ブラウザってただのアプリじゃないんですね。
時代によって、こんなに変わってきたなんて。



うん。ブラウザは“インターネットを見るための窓”。その窓の形が変われば、世界の見え方も変わる。だから今でも、静かに進化を続けているんだ。
おわりに:大切なのは“どの窓から見るか”



今のブラウザを当たり前に使ってたけど……
こんな長い歴史があるんだと思うと、少し感動します。



ふふ。どの時代にも、よりよい窓を作ろうとした人たちがいてね。
そのすべてが、今のインターネットの景色につながっているんだよ。
次回予告



次は「スマートフォン革命:世界がポケットに入った日」だよ。
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