
カフェの秘密の部屋 | 第2回
小さなカフェで見つけた“もう一つの扉”
UNIX Cafe の奥。
前回とは少し違う場所に、もう一つの扉がありました。
木ではなく、どこか金属の気配を感じる扉。
触れると、ひんやりとした感触が指先に残ります。
ミナちゃん先生……この奥、空気が少し冷たいですね



うん。ここはね、北の国から届いた物語につながっているんだ。
静かに扉を開くと、淡い“北欧ブルー”の光が、ゆっくりと広がりました。
フィンランドの学生だった、トーヴァルズ青年
そこにあったのは、とても小さな部屋でした。
机がひとつ。
椅子がひとつ。
そして、一台のパソコン。



……シンプルですね。
でも、すごく集中している感じがします。



ここが、リーナス・トーヴァルズ
が学生時代に過ごしていた部屋なんだよ
フィンランドの大学に通う、まだ若い学生だった頃のリーナス。
彼の毎日は、この机から始まりました。
小さな部屋で、パソコンと向き合う日々
派手な設備はありません。
研究所のような予算もありません。
それでも、リーナスは毎日、キーボードに向かいました。



他の学生が遊んでいる時間も、
彼はプログラムを書き続けていたんだ。



それが一番、楽しかったから……?



そう。好きなことに没頭する時間って、
いつの間にか夜になっているだろう?
静かな夜。
画面の光だけが、部屋を照らしていました。
UNIXが大好きだった若者の、ひとつの不満
リーナスは、UNIXが大好きでした。
美しくて、無駄がなくて、「考え方」がはっきりしているOS。
でも、当時の学生にとって、UNIXは自由に使える存在ではありませんでした。



じゃあ……
使えないなら、どうするんですか?



彼はね、こう思ったんだ。
『無いなら、自分で作ろう』って
それは、とても大胆で、とても自然な発想でした。
“自由なOS”という、小さな種
最初に作られたのは、
本当に小さなOSでした。
完璧ではない。
プロ用でもない。
ただの趣味なんだけど……
そんな言葉と一緒に、
リーナスは一通のメールを世界へ送ります。
「よかったら、一緒に育ててみませんか?」
まるで、カフェの掲示板に貼られた、手書きのメモのように。
世界中の仲間が、テーブルに集まった
そのメモは、思いがけず遠くまで届きました。
アメリカから。
ヨーロッパから。
アジアから。



あ……
いろんな国の人が集まってきてます。



そう。
Linuxは、ひとりの作品じゃなくなったんだ
誰かが機能を足し、誰かがバグを直し、誰かが使い方を広める。



なんだか……
みんなで料理しているキッチンみたい。



いい表現だね。それが、Linuxの空気なんだ。
おわりに:天才ではなく、テーブルの物語



Linuxって、天才が一人で作ったOSだと思ってました。



でも本当はね、“開かれたテーブル”から生まれたOSなんだ。
今も、そのテーブルには、
新しい椅子が置かれ続けています。
初心者も。
ベテランも。
ただ興味を持った人も。
誰でも、座っていい。
次回予告
次に開く扉の先には、
この文化を支えている考え方があります。
『オープンソースの哲学』
なぜ、人は成果を共有するのか。
なぜ、自由であり続けられるのか。
その理由を、またカフェの奥で見つけてみましょう。
さらに学びたいあなたへ
📘 用途ごとに選ぶ Linux のおすすめ本
リーナスの物語をもっと深く知りたい方に、こちらの回もおすすめです。











