
UNIX Cafe | 第49回
自宅でWebサーバーを動かしてみよう
ミナちゃん先生、Webサーバーってクラウドとかの大きなデータセンターにあるんだと思ってました。家でも動かせるんですか?



もちろんできるよ。
古いパソコンや Mac mini、Raspberry Pi でも立派に動かせるんだ。
まず “Webサーバーのしくみ” を軽くおさらい



Webサーバーは、『このページを見せて!』というリクエストに応えて、ページのデータを返すコンピュータのことだよ。



なるほど…家のパソコンが“応える側”になるわけですね!
自宅サーバーのメリットって?
楽しさ&学びがいっぱい
- Webサーバーの仕組みが体験できる
- HTTP/DNS の理解が深まる
- WordPress や小さなWebアプリを自由に試せる
- Raspberry Pi でも十分動くのでコストが安い



まるで“自分だけの小さなインターネット”を持つみたいですね!
使う機材はこれだけでOK
おすすめの3つ
- 古いPC / Mac mini
- Raspberry Pi(小さくて低電力)
- Linux が動くミニPC



Raspberry Piは特におすすめ。静かで電力も少なくて、ずっと動かしやすいよ。
Raspberry Pi(ラズパイ)で “自宅サーバー体験” をはじめよう



先生、ラズパイって本当に自宅サーバーになるんですか?
こんなに小さいのに不思議です…!



見た目は小さいけれど、ちゃんとLinuxが動く立派なコンピューターなんだよ。サーバーの入門にはぴったりなんだ。



へぇ〜!他に何か必要なんですか?



ラズパイ本体・SDカード・電源、まずはこの3つでOKだよ。動き出すと、自分の家に“ちいさなインターネット”ができたみたいでちょっと感動するよ。



わぁ…!なんだかワクワクしてきますね!
ラズベリーパイのおすすめ人気モデル
Raspberry Pi 4 Model B
一番バランスがよくて、初心者にも人気のモデルです。
Webサーバーやブログの公開、小さなサービスの運用など、自宅サーバーとしては十分な性能があります。
特に 4GB / 8GB RAM モデル は余裕があり、WordPress を動かす場合にも向いています。
Raspberry Pi 5
最新世代で、処理速度がとても速いモデルです。
「ラズパイで本格的にサーバーを運用したい」「AIや画像処理の実験もしたい」という人にぴったり。
ただし、発熱がやや大きいため、冷却ファン付きケースがあると安心です。
Raspberry Pi Zero 2 W
とても小さく、消費電力もごくわずか。
静かで省エネなので、・小さなテスト用サーバー・IoTと組み合わせた実験などに向いています。
ただし性能は控えめなので、Webページの同時アクセスが増える用途には向きません。
セットアップに必要なものを準備しよう
最低限そろえるもの
- Raspberry Pi 本体
- microSDカード(16GB〜32GB 推奨)
- 電源アダプタ(Pi に合った電圧・電流のもの)
Windows / macOS / Linux から SSH でラズパイへ接続すると、自分のPCの画面(ターミナル)とキーボードを使って、ラズパイをそのまま操作できるようになります。
あると便利なもの
- キーボード
- マウス
- HDMI ケーブル
- モニター(テレビでもOK)
その他オプション
- ケース(放熱やキズ防止に)
- 冷却ファンまたはヒートシンク
- 有線LANケーブル(初期設定が安定)
OS(Raspberry Pi OS)をSDカードに書き込もう
Raspberry Pi Imager をダウンロード
公式のツール「Raspberry Pi Imager」を使います。
Windows / macOS / Linux どれでも利用できます。
OS と保存先を選ぶ
→ Raspberry Pi OS(32-bit / 64-bit)
→ microSDカード
(5〜10分ほど)
Raspberry Pi を起動しよう
周辺機器を接続する
初回セットアップの流れ
最初に次の画面が表示されます。
これで基本準備は完了です。
インターネット接続を確認しよう
Wi-Fi が安定しない場合
- 再起動
- 2.4GHzの回線へ変更
- 有線LANを使う(特に初期セットアップは安定)
ターミナルで接続確認
bash
$ ping google.com応答が返ってくればOK!
システムを最新状態に更新する
bash
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade -yこれで、Raspberry Pi OS 本体・アプリがまとめて更新されます。
ソフトウェアを選ぼう(Apache と Nginx)
Apache
- 初心者向け
- 設定がしやすい
- WordPressとの相性も良い
Nginx
- 軽くて高速
- アクセスが多いほど強い
- リバースプロキシにも使える



学ぶならどっちでも楽しそう…!
インストールしてみよう(Apache / Nginx)
Apache のインストール
bash
$ sudo apt update
$ sudo apt install apache2Nginx のインストール
bash
$ sudo apt update
$ sudo apt install nginxブラウザで
http://自宅サーバーのIP
にアクセスし、テストページが出れば成功です。。
ラズパイのIPアドレスを確認する
bash
$ hostname -I自宅サーバーの準備完了!
ここまでできれば、ラズベリーパイはしっかり動く “小さなサーバー” の状態になっています。
Apache や Nginx を使ってWebページを公開したり、SSH接続でリモート操作したり、自宅サーバーの世界がぐっと近づきます。
自宅LANの中でアクセスしてみよう



同じ家のWi-Fiにつながっているスマホや別のパソコンから、
サーバーのIPアドレスを開くとページが見えるよ。



自分の家の中だけのミニWebサイトだ…!
外からアクセスしたくなるけど…注意が必要
危険を避けるポイント
- パスワードは強固に
- WordPressならアップデートを忘れない
- ファイアウォール設定は必須
- ポート開放(80/443)は慎重に
- ルーターの設定ミスは要注意



自宅を外に公開するのはリスクもある。
学習用なら、まずは 家の中だけ(ローカル)で運用 するのがおすすめだよ。
おすすめの用途(公開しなくても楽しい)
- 写真アルバムサーバー
- ファイル共有システム
- ローカルWordPressでサイト構築の練習
- PythonやPHPのミニアプリを動かす
- IoTデバイスのデータ受け取り



外に公開しなくても、こんなに遊べるんですね!
まとめ|自宅サーバーは“学びの宝箱”
- 自分の家でWebサーバーは作れる
- Apache/Nginxを使うと本格的に動く
- LAN内だけなら安全に楽しめる
- Webの仕組みを実感できる最高の教材



サーバーを実際に動かすと、Webの世界がぐっと近くなるよ。



小さなサーバーでもワクワクしますね!
次回予告



次は「SSL/TLSとHTTPSとは?通信を守る暗号化の仕組みをやさしく解説」インターネットの“安全を守る仕組み”のお話をやさしく案内するよ。








