
UNIX Cafe | 第37回
「ネットに繋がらない…」その原因、pingコマンドで探ってみませんか?
「Webサイトが表示されない」「オンラインゲームがカクカクする…」
そんなネットワークの不調を感じたとき、原因を切り分けるための最初の一手となるのが、今回ご紹介するping(ピング)コマンドです。
一見、専門的に見えるこのコマンドですが、仕組みはとてもシンプル。
指定した相手に「元気ですか?」と小さな信号(パケット)を送り、その「返事が返ってくるか」「どれくらいの速さで返ってくるか」を調べる、いわばネットワークの”聴診器”のようなものです。
この記事を最後まで読めば、あなたもpingを使いこなし、ネットワークトラブルに自信を持って対処できるようになります。
pingとは?ネットワークの疎通を確認する基本コマンド
ミナちゃんpingってよく聞くけれど、一体何をしているコマンドなんだろう?
pingは簡単に言うと、相手のコンピューターに『応答してください』という信号を送って、その往復時間や、信号が途中でなくならなかったか(パケットロス)を計測する仕組みです。
とても古くからあるコマンドですが、ネットワークの健康状態を知る上で今でも欠かせない、プロの必須ツールです。
このpingコマンドは、Windows、Mac、Linuxなど、OSを問わず標準で搭載されているため、誰でもすぐに使うことができますよ。
pingの基本的な使い方と結果の見方
まずは、最も基本的な使い方を見ていきましょう。
ターミナル(Windowsではコマンドプロンプト)を開き、以下のように入力します。
今回は、Googleのサーバー(google.com)に応答をお願いしてみます。
ping google.com実行すると、次々と情報が表示されます。注目すべきは以下の3点です。
time=〇〇 ms:
これが相手からの応答時間(RTT: Round-Trip Time)です。単位はミリ秒(ms)で、この数値が小さいほど、通信が速く、快適であることを意味します。
ttl=〇〇:
パケットがネットワーク上で生存できる時間(経由できるルーターの数)の上限値です。今は「ちゃんと応答があるな」という程度の認識で大丈夫です。
統計情報(statistics):
最後に表示されるまとめ情報です。特にpacket loss(パケット損失率)に注目しましょう。これが0%でなければ、通信が不安定である(途中でデータが欠落している)ことを示します。



返事が返ってくるまでの時間が、そのままネットワークの“速さ”の目安になるんですね!
間隔を変えたいとき(例:0.5秒)
ping -i 0.5 google.compingを止めるには?
MacやLinuxでは、pingは手動で止めるまで無制限に実行されます。止めたいときは、キーボードの Ctrl + C を押してください。これは実行中のコマンドを強制的に中断させるための共通のショートカットです。
Ctrl + C通信回数を指定してスマートに調査したい (Mac/Linux/Windows)
Mac / Linux の場合 (-c オプション)
4回だけ実行したい場合は、以下のように入力します。
ping -c 4 google.com- “4回だけ” 届けて判断したいときに便利
- 結果の要約(packet loss、平均応答時間など)も見やすくなる



4回続けて送ると、自動でピタッと止まる仕組みだよ。
Windows の場合 (-n オプション)
(Windowsではデフォルトで4回実行されますが)回数を変更したい場合は -n を使います。
ping -n 10 google.com【実践】こんな時にpingが役立つ!トラブルシューティング活用術
pingの真価は、ネットワークトラブルの原因を切り分ける際に発揮されます。
そもそもインターネットに繋がっているか確認したい
Webサイトのドメイン名(google.comなど)ではなく、IPアドレスを直接指定してpingを実行します。8.8.8.8はGoogleが提供している非常に安定したサーバーのIPアドレスで、テスト先として最適です。
ping 8.8.8.8成功する場合
あなたのPCからインターネットの世界へは問題なく繋がっています。もし特定のサイトだけが見られないのであれば、DNS(ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み)に問題があるか、サイト側の問題である可能性が高まります。
失敗する場合
ルーターの設定や、そもそも物理的な回線に問題がある可能性が考えられます。



原因を切り分けるときに、すっごく頼りになりますよ。
通信品質をより詳しく調べたい(パケットサイズ変更)
通常のpingは非常に小さなデータを送受信します。より実際のデータ通信に近い状況でテストしたい場合は、
-s (Mac/Linux) や -l (Windows) オプションでパケットサイズを大きくすることができます。
Mac / Linux の場合 (-s オプション)
1000バイトのデータを送る例です。
ping -s 1000 google.com大きなパケットでテストすると、小さなパケットでは顕在化しなかったネットワークの問題(パケットロスなど)を発見できることがあります。
pingが応答しない…故障とは限らない?
pingを実行しても応答がない(Request timed out. や 100% packet loss と表示される)場合、必ずしも相手が故障しているとは限りません。以下のような理由が考えられます。
相手が意図的に応答しない設定になっている
セキュリティ上の理由から、サーバーやネットワーク機器はpingに応答しない(ICMPを無視する)ように設定されていることがあります。
ファイアウォールでブロックされている
通信経路上にあるファイアウォールが、pingのパケットを遮断している可能性があります。
単純にネットワーク経路に問題がある
あなたのPCと相手との間のどこかで通信が途絶している状態です。
まとめ
pingは、コマンドラインのシンプルなツールですが、その奥は深く、ネットワークの状態を雄弁に物語ってくれます。
応答時間(time)やパケットロス(packet loss)といった数値の向こう側には、今まさに動いているネットワークの世界が広がっています。このコマンドひとつで、その世界の”健康状態”を診断できるのです。
インターネットの調子が悪いと感じたら、まずはpingを打ってみてください。それは、複雑なネットワークトラブルを解決するための、最も確実で力強い第一歩となるでしょう。



少し、pingの気持ちがわかった気がします。
次回予告
次回は、インターネットの道のりを可視化するtracerouteコマンドの旅に出かけます!
あなたのPCから送られたパケットが、どんなルートを辿って世界中のサーバーに届いているのか、その冒険を一緒に追いかけてみましょう。
さらに学びたいあなたへ
📘 用途ごとに選ぶ Linux のおすすめ本










