
はじめてのPython | 第24回
1. はじめに
この回では、この連載で学んだPythonの基本を整理します。前回は、CSVファイルを読み込んで集計する総合演習を行いました。
ここまでで、変数、条件分岐、繰り返し、リスト、辞書、関数、ファイル操作などの基本を確認してきました。最後に、それぞれの役割と、どう組み合わせて使うかをまとめます。
2. この回で学ぶこと
- 変数の役割
- 条件分岐の使いどころ
- 繰り返しの使いどころ
- リストと辞書の使い分け
- 関数で処理をまとめる考え方
- ファイル操作の位置づけ
- 基本を組み合わせる流れ
- 次に学ぶ候補
3. 概念の説明
Pythonの基本は、1つずつ独立しているのではなく、組み合わせて使います。
変数は、値を一時的に保存するために使います。条件分岐は、条件によって処理を変えるために使います。繰り返しは、同じ種類の処理を何回も行うために使います。
リストは、複数の値を順番にまとめて扱いたいときに使います。辞書は、名前付きのデータを扱いたいときに使います。
関数は、ひとまとまりの処理に名前を付けて再利用しやすくするために使います。ファイル操作は、プログラムの外にあるデータを読み書きするときに使います。
たとえば、次のような流れで組み合わせられます。
1. input() で入力を受け取る
2. 変数やリストに保存する
3. if で条件を確認する
4. for や while で必要な回数だけ処理する
5. 関数にまとめる
6. 結果を print() で表示したり、ファイルに保存したりする
この流れを意識すると、これまで学んだ内容がどこで使われるか整理しやすくなります。
4. サンプルコード
次のコードを見てください。
def save_even_numbers():
numbers = [3, 4, 7, 10, 12]
with open("result.txt", "w", encoding="utf-8") as file:
for number in numbers:
if number % 2 == 0:
file.write(str(number) + "\n")
save_even_numbers()
print("result.txt に保存しました")このコードでは、リスト、for、if、関数、ファイル書き込みを組み合わせています。複数の基本が1つの処理の中でどのように使われるかを確認できます。
5. 実行手順
まず、summary_sample.py というファイルを作ります。
touch summary_sample.pysummary_sample.py をエディターで開き、次のコードを書いて保存します。
def save_even_numbers():
numbers = [3, 4, 7, 10, 12]
with open("result.txt", "w", encoding="utf-8") as file:
for number in numbers:
if number % 2 == 0:
file.write(str(number) + "\n")
save_even_numbers()
print("result.txt に保存しました")保存したら、ターミナルで次のコマンドを実行します。
python3 summary_sample.py実行結果は次のようになります。
result.txt に保存しましたそのあとで result.txt を開くと、内容は次のようになります。
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126. コードの読み方
def save_even_numbers():は、偶数を保存する処理を関数にまとめています。numbers = [3, 4, 7, 10, 12]は、複数の数値をリストに入れています。with open("result.txt", "w", encoding="utf-8") as file:は、結果を書き込むファイルを開いています。for number in numbers:は、リストの中の数値を1つずつ順番に取り出しています。if number % 2 == 0:は、その数値が偶数かどうかを判定しています。- 偶数のときだけ、次の
file.write(...)が実行されます。 file.write(str(number) + "\n")は、数値を文字列に変換して、1行ずつファイルに書き込んでいます。- 最後の
save_even_numbers()は関数を呼び出して処理を実行しています。 print("result.txt に保存しました")は、処理が終わったことを表示しています。
7. 初学者がつまずきやすい点
- 変数、
if、for、関数、ファイル操作は別々ではなく組み合わせて使う - リストは複数の値、辞書は名前付きの値に向いている
- 条件分岐は必要な処理だけを実行するために使う
- 関数は処理のまとまりを分かりやすくする
- ファイルに書くときは数値を文字列に変換することがある
特に、file.write(number) のように数値をそのまま書こうとするとエラーになります。ファイルに書き込むときは、必要に応じて str(number) のように変換します。
また、どの文法を使うかは、目的によって決まります。複数の値ならリスト、条件で分けるなら if、くり返すなら for というように考えると整理しやすくなります。
8. よくあるエラー
1つ目は、数値を文字列に変換せずにファイルへ書こうとする場合です。
with open("result.txt", "w", encoding="utf-8") as file:
file.write(10)このときは、次のようなエラーになります。
TypeError: write() argument must be str, not intwrite() には文字列を渡す必要があります。
2つ目は、条件分岐の条件式を間違える場合です。
if number % 2 = 0:
print(number)このときは、次のようなエラーになります。
SyntaxError: cannot assign to expression here比較には = ではなく == を使います。
3つ目は、関数を定義しただけで呼び出していない場合です。
def save_even_numbers():
print("start")この場合、関数を作っただけで、まだ実行していません。使うには save_even_numbers() と書いて呼び出す必要があります。
9. 練習用コード
次のコードを practice_summary.py として保存して実行してください。
def save_large_numbers():
numbers = [2, 9, 15, 4, 20]
with open("large_numbers.txt", "w", encoding="utf-8") as file:
for number in numbers:
if number >= 10:
file.write(str(number) + "\n")
save_large_numbers()
print("large_numbers.txt に保存しました")実行したあとで、large_numbers.txt にどの数値が保存されているか確認してください。
余裕があれば、条件を number >= 10 から number < 10 に変えて試してください。
10. この回で理解しておくこと
- 変数は値を保存する
- 条件分岐は処理を分ける
- 繰り返しは同じ種類の処理を続けて行う
- リストと辞書は複数のデータを扱うための道具
- 関数は処理をまとめて再利用しやすくする
- ファイル操作は結果を外に保存したり、外のデータを読んだりするために使う
- 実際のプログラムでは、これらを組み合わせて使う
11. まとめ
今回は、この連載で学んだPythonの基本を整理しました。重要なのは、文法を個別に覚えるだけでなく、目的に応じて組み合わせて使えるようになることです。
この連載の範囲で、基本的なスクリプトを作るための土台はそろっています。今後は、小さなプログラムを自分で作りながら、使い方を定着させることが重要です。
もう一度、はじめからゆっくりと
ここまで読み進めてきた今、もう一度最初の回に戻ってみてください。
はじめは少し難しく感じた内容も、
きっと違った景色に見えてくるはずです。
Pythonは、一度で理解するものではなく、
何度か行き来しながら、少しずつ深まっていく言語です。
最初の一歩に戻ることは、後退ではありません。
それは、理解を確かなものにするための大切な一歩です。
👉 もう一度、第1回から読み直してみましょう。
復習してみよう
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