
やさしいプログラミングの世界 | Part 2
朝|UNIX Cafe が目を覚ます
朝の静かな時間、UNIX Cafe の扉がそっと開きます。
店主のシェリーは、まだ誰もいない店内に入り、ゆっくりと空気を吸い込みます。
これから始まる、新しい一日。そのための、小さな「最初の一歩」です。
$ login
$ zshまだ、何も特別なことは起きていません。
けれど、いつでも動き出せる今日、一日の準備が、静かに、きちんと整っています。
開店準備|その日の空気を整える
シェリーが最初に手をつけるのは、お店全体に流れる「雰囲気」づくり。
それは、その日に訪れるすべての人が、心地よく過ごすための、やさしい前提です。
# まずは言葉を整える
$ export LANG=ja_JP.UTF-8
# レシピを書く道具も決めておく
$ export EDITOR=vim音楽の音量、照明の明るさ、カウンターの上のほどよい空間。
いつものお決まり(~/.zshrc)を確かめるように、一つひとつ、手を入れていきます。
「よし、今日はこんな感じでいこう」
シェリーがそうつぶやくと、その雰囲気は、
お店のすみずみまで、やわらかく広がっていきます。
午前|自分のいる場所を意識する
午前中は、静かな仕込みの時間です。
シェリーはカウンターを離れ、必要な場所へと向かいます。
# 今いる場所は…
$ pwd
/home/shellie
# 焙煎室へ向かおう
$ cd roast_room
$ pwd
/home/shellie/roast_room今どこにいるかで、見える景色も、できることも変わってきます。
自分の立ち位置を自分で決める。それが、このカフェの自然な流れです。
昼前|子どもたちに仕事をお願いする
少しずつ、店内がにぎわってきました。
シェリーはカウンターの中から、子どもたちに、やさしく声をかけます。
「ちょっとだけ、お手伝いをお願いしてもいいかな?」
# 冷蔵庫にミルクを運んでくれる?
$ cp milk.txt fridge/
# このレシピに目を通してもらえる?
$ less recipe.txt
# カップの棚の様子を教えてくれる?
$ ls cups/どれも、ひとつずつの小さなお手伝い。
シェリーは、誰か一人にたくさん頼むことはしません。
子どもたちの仕事|静かな連携
子どもたちは、それぞれの役割を、静かに受け取ります。
一人は、レシピ(cat recipe.txt)を読み上げ、
一人は、コーヒー豆に関する部分(grep coffee)だけを拾い、
もう一人は、それを種類ごと(sort)に並べ替えます。
$ cat recipe.txt | grep coffee | sortどの子も、余計なことはしません。
受け取ったものを、整えて、次へ渡す。
仕事が終わると、「無事に終わりました」と小さく伝えて、($ exit 0)
$ exit 0そして、静かにその場を離れます。
シェリーは、変わらない
その間も、シェリーはカウンターに立ったまま。
お店の雰囲気も、シェリーの立ち位置も、変わりません。
$ _点滅するカーソルのように、次の言葉を、静かに待っています。
動かないけれど、その内側では、確かに仕事が進んでいます。
午後|仕事が、流れになる
午後になると、子どもたちの仕事は、ごく自然な「流れ」になります。
バックヤードで、コーヒー豆を準備している子は、今、何人いるでしょう。
$ ps aux | grep coffee | wc -l一人ひとりの小さな仕事が、一本のパイプでつながり、全体として、ひとつの意味を形づくります。
シェリーは、その流れが途切れないよう、そっと見守っています。
夕方|シェリーにしかできない仕事
陽が傾き、店じまいの時間が近づいてきました。
シェリーは、自分にしかできない、大切な仕事に取りかかります。
# そろそろお店を閉める準備をしよう
$ sudo shutdown -h later一日を、安全に終わらせること。
この最後の役目は、誰にも任せられません。
夜|一日を、きちんと終わらせる
最後のお客さんが帰り、店内は、また静けさを取り戻します。
$ exit「今日は、ここまで」
終わりをきちんと告げることで、次の一日が、安心して待てるのです。
深夜|静寂という名の、成功
閉店後の UNIX Cafe には、誰もいません。
ただ、時間だけが、ゆっくり流れています。
$ uptime何も起きていないこと。それ自体が、すべてがうまくいった、何よりの証です。
そして、また朝へ
翌朝、シェリーはまた、いつものように扉を開けます。
$ login昨日と同じようで、
ほんの少しだけ違う一日が、また始まります。
おわりに|UNIX Cafe が大切にしていること
- 環境を、最初に整えること
- 自分の場所を、意識すること
- 仕事を、小さく分けること
- 流れで、つないでいくこと
- 終わりを、きちんと終わらせること
UNIX の世界で起きていることは、
私たちが日々を丁寧に暮らす営みに、どこか似ています。
静かだけれど、確かに続いていく。
それが、UNIX Cafe の一日です ☕
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