
UNIX Cafe | 第27回
はじめに:そのファイル、どうやって中身を確認していますか?
LinuxやMacのターミナル(黒い画面)を使っていると、「このファイルには何が書かれているんだろう?」と疑問に思う場面があります。
例えば:
- ダウンロードした設定ファイルの中身をちょっとだけ確認したい
- プログラムが出力した巨大なログファイルから、エラー箇所だけを探したい
- テキストファイル全体をざっと眺めたい
今日はこんな時に便利なコマンドの紹介です。
コマンドラインの世界には、まるで本のページをめくるように、素早く、そして賢くファイルの中身を「のぞき見る」ための便利なコマンドがたくさん用意されています。
この記事では、数あるコマンドの中から特に重要な5つのコマンド (cat, less, head, tail, grep) をマスターしていきます。これらのコマンドを使い分けることで、あなたのCLI(コマンドライン)操作は劇的に効率化されるはずです。
状況別!ファイルの中身を表示する基本コマンド5選
まずは、今日登場する5つのコマンドたちを、その得意技と一緒に紹介します。
| コマンド | 得意技 | 主な活躍シーン |
|---|---|---|
cat | 全部を一気に見せる | 短いファイルや設定ファイルの全体像を把握 |
less | 自分のペースでじっくり読ませる | 長いファイル(ログ、ソースコード)の閲覧 |
head | 最初の部分だけをチラ見せする | ファイル形式やヘッダー情報の確認 |
tail | 最後の部分だけを見せて、更新を追いかける | 最新のログ監視や処理結果の確認 |
grep | 膨大な情報から、ほしい言葉だけを見つけ出す | エラー箇所や特定のキーワードの検索 |
それでは、それぞれのコマンドの具体的な使い方を、カフェのレシピノートをめくるように見ていきましょう。
🔍 基本コマンドでのぞいてみる
cat コマンド:短いファイルを一気に表示する
cat は “concatenate” (連結する) の略で、ファイルの中身を最初から最後まで、すべてターミナルに表示します。
基本的な使い方:
cat memo.txt活躍シーン:
数行〜数十行程度の短い設定ファイルやメモなど、全体をさっと確認したいときに最適です。ただし、数百行を超えるような長いファイルに使うと、画面が一瞬で流れていってしまうので注意が必要です。
ミナちゃんちょっとしたメモを見るなら、これでサッと確認できますよ。
less コマンド:長いファイルを快適に閲覧する
長いファイルを読むなら less の出番です。cat と違い、ファイルの中身を1画面ずつ表示し、自分のペースで読み進めることができます。
基本的な使い方:
less server.log主な操作方法:
- 矢印キー (↑↓) / j, kキー: 1行ずつスクロール
- スペースキー: 次のページへ
- / (スラッシュ): /[検索したい単語] でファイル内を検索 (nで次の候補へ)
- qキー: less を終了して元の画面に戻る
活躍シーン:
プログラムのソースコードや、Webサーバーのアクセスログなど、長大なテキストファイルをじっくりと調査する際には必須のコマンドです。



ページをめくるみたいに読めるから、どんなに長くてもへっちゃらですね。
head & tail コマンド:ファイルの最初と最後を素早く確認
ファイル全体ではなく、一部分だけをピンポイントで確認したい場合に活躍するのが head と tail です。
head: ファイルの先頭部分を表示
デフォルトでは、ファイルの先頭10行を表示します。
基本的な使い方:
head server.log-n オプションで行数を指定することも可能です。
head -n 20 server.log例: head -n 20 server.log で先頭20行を表示
活躍シーン:
CSVファイルのヘッダー(項目名)を確認したり、どんな形式のファイルなのかを判断したりする際に便利です。



気になる入り口だけサッとチェックできますよ。
tail: ファイルの末尾部分を表示
デフォルトでは、ファイルの末尾10行を表示します。
基本的な使い方:
tail server.log-n オプションで行数を指定
tail -n 20 server.log例: tail -n 20 server.log で最後の20行を表示
活躍シーン:
ログファイルは、新しい記録がファイルの末尾に追記されていくため、最新の状況を確認するのに最適です。
🔥 プロの技: tail -f でログをリアルタイム監視
tail に -f (follow) オプションを付けると、ファイルへの追記をリアルタイムで監視し続けることができます。Webサーバーの動きを監視する際など、プロの現場で最もよく使われるテクニックの一つです。(Ctrl + C で終了)
tail -f access.loggrep コマンド:特定のキーワードが含まれる行を検索
grep は、ファイルの中から指定したキーワード(文字列や正規表現)が含まれる行だけを抜き出して表示する、非常に強力な検索コマンドです。
基本的な使い方:
server.log ファイルから error という単語が含まれる行を探します。
grep "error" server.log便利なオプション:
- -n: 結果に行番号を付けて表示
- -i: 大文字と小文字を区別せずに検索 (Error, ERROR もヒットする)
grep -ni "warning" server.log活躍シーン:
膨大なログファイルの中から特定のエラーメッセージを探したり、設定ファイルの中から目的の項目が記述されている箇所を見つけたりと、用途は無限大です。



ほしい言葉だけ見つけてくれるなんて、とっても心強いですね。
【実践】コマンドをパイプ | で繋げて、さらに賢く使う
これらのコマンドの真価は、パイプ | を使って組み合わせたときに発揮されます。パイプは、あるコマンドの実行結果を、次のコマンドの入力として渡すことができる、Unix哲学の核心とも言える機能です。
例:ログファイルの最新100行の中から、”error” という単語が含まれる行だけを表示する
tail -n 100 server.log | grep "error"このように、tail で範囲を絞り、その結果を grep でさらにフィルタリングする、といった連携プレイが可能です。
まとめ:適材適所でコマンドを使い分けよう
最後に、今日学んだコマンドの使い分けをもう一度おさらいしましょう。
- ちょっと見るだけ → cat
- じっくり読む → less
- 最初だけ確認 → head
- 最後だけ確認・監視 → tail
- キーワードで探す → grep
これらのコマンドは、一つ一つはシンプルですが、あなたの「ファイルの中身を知りたい」という様々な要求に、的確かつ迅速に応えてくれる頼もしい相棒です。
ぜひ、あなたのターミナルで、カフェのレシピノートをめくるように、気軽にファイルの中身をのぞいてみてください。きっと、コマンドラインでの作業がもっと楽しく、もっと快適になるはずです。
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