
UNIX Cafe | 第14回
はじめに|朝、カフェが自動で開いたら…
ミナちゃんユニ先生〜💦 最近、毎朝カフェを開けるのがちょっと大変なんです。
ログを取って、バックアップをして… いつも同じことのくり返しで。



ふふっ、それは“手動カフェ”の典型だね。
でも大丈夫。UNIXには、時間でスクリプトを動かす“魔法のタイマー”があるんだ。



魔法のタイマー? なんだか便利そうですね!
それを使えば、朝の開店作業が自動でできるんですか?



その通り。その仕組みの名前は── cron(クロン)。
“カフェの目覚まし時計”みたいなものなんだよ。
cronってなに?



cron…聞いたことはあるけど、どうやって使うんですか?



簡単だよ。
cronは、指定した時間にスクリプトを自動で実行してくれる。つまり「毎朝7時にカフェを開ける」「夜9時に閉める」なんてこともできるんだ。
スクリプトファイルを作る
/home/username/この部分を自分のユーザー名に書き換えてください。
#!/bin/bash
# ==============================
# ☕ UNIX Café|open_cafe.sh
# カフェの開店スクリプト
# ==============================
# 今日の日付とメッセージをログに追加
/bin/echo "🌅 $(/bin/date '+%Y-%m-%d %H:%M:%S') カフェを開けます☕" >> /home/username/cafe_log.txt
/bin/echo "☕ 今日も元気にスタート!" >> /home/username/cafe_log.txt
/bin/echo "-----------------------------" >> /home/username/cafe_log.txt
# 画面にもメッセージを表示
/bin/echo "🌞 おはようございます!カフェをオープンしました!"
/bin/echo "ログに開店記録を残しました☕"



ファイル名は「open_cafe.sh」にして保存し、実行権限をつけましょう。



Linux:/home/username/macOS:/Users/username/ の部分は自分の環境に合わせて変更してくださいね。
ファイルに実行権限をつける
bash
$ chmod +x open_cafe.sh


「open_cafe.sh」を保存して、実行権限をつけておこう。
次に、cronに「毎朝7時にこれを実行してね」とお願いすればいいんだ。



なるほど〜、じゃあcronがカフェの“朝番スタッフ”になるんですね。
cronの設定をしてみよう!



では、実際に設定してみよう。
設定用のファイルを開くにはこのコマンドだよ。
cron設定ファイルを開く
bash
$ crontab -ecrontabに次の一行を追加する (毎日7時00分に実行する)
/home/username/この部分を自分のユーザー名に書き換えてください。
0 7 * * * /home/username/unix_cafe/open_cafe.sh


えっ、この「0 7 * * *」ってなんですか?
なんだか暗号みたいです💦
| フィールド | 値 | 意味 |
|---|---|---|
| 分 | 0 | 0分(ちょうど) |
| 時 | 7 | 朝7時 |
| 日 | * | 毎日 |
| 月 | * | 毎月 |
| 曜日 | * | すべての曜日 |
👉 毎朝7時に open_cafe.sh を自動実行する設定です。



ふふっ、最初はそう見えるよね。
これは「分・時・日・月・曜日」を表してるんだ。
つまり“毎日7時00分に実行”という意味さ。
Try it!|自動開店スクリプトを動かしてみよう
cron設定ファイルを開いて、crontabに次の一行を追加する
/home/username/この部分を自分のユーザー名に書き換えてください。
* * * * * /home/username/unix_cafe/open_cafe.sh


この「* * * * *」が毎分ごとに実行っていう意味なんですね。



そうだね。でも実験用だから、テストが終わったら設定ファイルから消しておいてね。
vi を使ってcron のログを確認する
bash
$ vi ./unix_cafe/cafe_log.txt 19 -----------------------------
20 🌅 2025-10-26 10:33:00 カフェを開けます☕
21 ☕ 今日も元気にスタート!
22 -----------------------------
23 🌅 2025-10-26 10:34:00 カフェを開けます☕
24 ☕ 今日も元気にスタート!
25 -----------------------------
26 🌅 2025-10-26 10:35:00 カフェを開けます☕
27 ☕ 今日も元気にスタート!
28 -----------------------------
29 🌅 2025-10-26 10:36:00 カフェを開けます☕
30 ☕ 今日も元気にスタート!
31 -----------------------------
32 🌅 2025-10-26 10:37:00 カフェを開けます☕
33 ☕ 今日も元気にスタート!
34 -----------------------------
35 🌅 2025-10-26 10:38:00 カフェを開けます☕
36 ☕ 今日も元気にスタート!
37 -----------------------------cat を使ってcron のログを確認する
bash
$ cat /home/username/cafe_log.txt🌅 2025-10-26 10:01:32 カフェを開けます☕
☕ 今日も元気にスタート!
-----------------------------
🌅 2025-10-26 10:24:00 カフェを開けます☕
☕ 今日も元気にスタート!
-----------------------------
🌅 2025-10-26 10:25:00 カフェを開けます☕
☕ 今日も元気にスタート!
-----------------------------
🌅 2025-10-26 10:26:01 カフェを開けます☕
☕ 今日も元気にスタート!
-----------------------------
☕ 今日も元気にスタート!
-----------------------------


これで明日の朝、自動でカフェが開くんですね!
なんだかちょっとワクワクします。



そうだね。
cronを使えば、スクリプトが“時間の仲間”になる。
君がまだ夢の中でも、カフェはちゃんと動き始めるんだ。
コーヒーブレイク:ユニ先生のひとこと


ページのまとめ
- crontab -e :cron設定を編集
- crontab -l :設定を確認
- 0 7 * * * :毎朝7時に実行
- * * * * :毎分実行(テスト用)
- username :ご自身の環境に合わせて変更して下さい。



今日は“時間で動くスクリプト”を初体験しました!
cronって本当に便利ですね。
これで朝も余裕を持ってコーヒーを淹れられそうです。



ふふっ、それが自動化のいいところさ。
時間を味方につければ、君の一日がもっと軽やかになるよ。







