
UNIX Cafe | 第86回
はじめに|触っただけなのに、生まれた
ターミナルを使っていると、
ときどき「えっ?」となる瞬間があります。
たとえば、何もない場所で touch を打つと、
それだけでファイルが“生まれて”しまいます。
初心者の目には、ちょっと魔法みたいに見えます。
でも、これは怖いことではありません。
今日は、この不思議をやさしくほどいていきます☕
4コマ漫画

ミナちゃん
「……ここ、何もないね」

ミナちゃん
「じゃあ……touch っと」

ミナちゃん
「えっ……あ、できた!」

ミナちゃん
「……空っぽだ……」
ユニ先生(小さく、一言だけ)
「“器だけ”作ったんだよ。」
今日の主役|touch は「入れ物」を作るコマンド
touch は、ファイルを「編集する」道具ではありません。
ざっくり言うと、こういう役目です。
- 空のファイルを作る
- すでにあるファイルなら、更新日時だけを新しくする(※状況によります)
つまり touch は、「中身」ではなく、まず “器(うつわ)” を用意する道具です。
やってみよう|1行でファイルが生まれる
たとえば、メモ用のファイルを作りたいとき。
こんなふうに打ちます。
touch memo.txtそして、ちゃんとできたか確認します。
lsすると、さっきまで無かった memo.txt が見えるはずです。
「触っただけなのに、生まれた」
この感覚、ここがいちばん面白いところです。
“空っぽ”の正体|touch は中身を入れない
次に、もし中身を見てみたくなったら、こうします。
cat memo.txt…でも、何も表示されません。
なぜなら、touch が作ったのは
中身ではなく「入れ物」だけだからです。
ファイルは、
- まず「存在」して
- そのあとに「中身」が入る
という順番でも作れるんですね。
いつ役に立つ?|touch の便利な使いどころ
touch は地味に見えますが、使いどころがたくさんあります。
たとえば、こんな場面です。
- メモの下書きを先に作る(あとでエディタで書く)
- ログファイルの置き場所だけ先に用意する
- プログラムが“そのファイルを探している”か確認する
- ファイルの更新日時を新しくして動作を試す
「中身は後でいい」
そんなときに、touch は静かに役に立ちます。
注意|同じ名前がある場合はどうなる?
もし同じ名前のファイルがすでにある場合、touch はどうなるでしょう。
多くの場合、
- 中身は消えない
- 更新日時だけが変わる
という動きになります。
つまり、touch は「上書きして壊す」コマンドではなく、
もっと控えめに「存在を整える」道具なんですね。
まとめ|touch は「存在の印」をつける
touch は、触っただけで何かが生まれるように見えます。
でも正体は、こうです。
- ファイルという“器”を作る
- すでにあれば、存在を更新する
そして、最後にひとこと。
ユニ先生
「“器だけ”作ったんだよ。」
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