
UNIX Cafe | 第39回
Webサイトの「本当の住所」を解き明かす!nslookupとdigコマンド入門
「google.com」とブラウザに入力するだけで、なぜGoogleのページが表示されるのでしょうか?
その裏側では、「DNS」という仕組みが、人間にとって分かりやすい「名前(ドメイン名)」を、コンピュータが理解できる「住所(IPアドレス)」に変換するという、重要な役割を担っています。
この記事では、その”住所変換”の仕組みを自分の手で確かめられる2つのコマンド、「nslookup」と「dig」について、初心者にも分かりやすく解説します。
これらのコマンドを使えば、ネットワークのトラブル解決や、インターネットの裏側の仕組みへの理解がより一層深まるはずです。
ミナちゃんDNS のしくみって、なんだか難しそう…。
インターネットの電話帳「DNS」とは?
DNS(Domain Name System)は、インターネット上の「ドメイン名」と「IPアドレス」を紐づけて管理するシステムです。
- ドメイン名: google.comのような、人間が覚えやすい名前
- IPアドレス: 172.217.25.142のような、コンピュータが通信相手を特定するための数字の羅列
私たちがWebサイトにアクセスする際、ブラウザはまずDNSサーバーに「google.comのIPアドレスを教えてください」と問い合わせます。
DNSサーバーが正しいIPアドレスを返答することで、ブラウザはようやく目的のWebサイトにたどり着けるのです。この一連の流れを「名前解決」と呼びます。
手軽に名前解決を試す「nslookup」
nslookupは、ドメイン名からIPアドレスを調べる(正引き)だけでなく、IPアドレスからドメイン名を調べる(逆引き)こともできる、古くから使われているコマンドです。Windowsに標準で搭載されているため、多くの人が最初に触れる機会の多いツールでもあります。
基本的な使い方(正引き)
ドメイン名のIPアドレスを知りたい場合は、以下のように入力します。
nslookup google.comすると、google.comに対応するIPアドレスの一覧が表示されます。
Pアドレスから名前を調べる(逆引き)
逆に、IPアドレスがどのドメイン名に対応しているかを知りたい場合は、IPアドレスを直接指定します。
nslookup 8.8.8.88.8.8.8はGoogleが提供する公開DNSサーバーですが、このようにIPアドレスから対応するホスト名を調べることができます。
より詳しく調査するなら「dig」
dig (Domain Information Groper) は、nslookupよりも詳細な情報を得られる、より高機能なコマンドです。DNSのトラブルシューティングなど、専門的な調査を行う際に非常に役立ちます。
nslookupが応答を見やすく加工して表示するのに対し、digはDNSサーバーからの応答をほぼそのまま表示するのが特徴です。
基本的な使い方
nslookupと同様に、ドメイン名を指定して実行します。
dig google.com実行すると、多くの情報が表示されますが、初心者がまず注目すべきは 「ANSWER SECTION」 です。ここには、問い合わせに対する直接の回答、つまりgoogle.comのIPアドレスが記載されています。
便利なオプション:+short
digの出力は詳細ですが、単にIPアドレスだけを知りたい場合には情報が多すぎると感じることもあります。そんな時は+shortオプションを使いましょう。
dig google.com +shortこのコマンドは、余計な情報をそぎ落とし、IPアドレスだけをシンプルに表示してくれるため、非常に便利です。
ドメインの管理者情報を調べる
Webサイトのドメインが、どのDNSサーバー(ネームサーバー)によって管理されているかを調べることもできます。これにはNS(Name Server)レコードを指定します。
dig google.com NSこれにより、そのドメインの”責任者”にあたるサーバーの情報を知ることができます。
nslookupとdig、どちらを使うべき?
両者の主な違いは、得られる情報の詳細さと柔軟性です。
| nslookup | dig | |
|---|---|---|
| 特徴 | 基本的な調査向き | トラブルシューティングやスクリプトでの利用に最適 |
| 出力形式 | 見やすいように加工して表示 | DNSサーバーからの応答をそのまま表示 |
| 推奨 | Windows環境での素早い確認 | DNSの詳細な調査や、Linux/macOS環境での利用 |
一般的に、DNS関連の問題を詳細に調査する必要がある場合は、digの使用が推奨されています。
まとめ:名前の向こう側を探る冒険へ
nslookupとdigは、単にIPアドレスを調べるだけのツールではありません。「Webサイトに繋がらない」といったトラブルが発生した際に、その原因が名前解決にあるのかどうかを切り分けるための第一歩となります。
- Webサイトの「本当の住所(IPアドレス)」は何か?
- IPアドレスから、その正体(ドメイン名)を探れるか?
- 誰がそのドメインを管理しているのか(NSレコード)?
これらのコマンドを使いこなすことで、インターネットの”電話帳”であるDNSの仕組みをより深く理解し、ネットワークの世界を探求する楽しさを感じることができるでしょう。



名前の向こう側が見えるなんて、なんだかワクワクします!
次回予告
次は、インターネットの玄関口を守る「ポート」と「ファイアウォール」の世界を探検します。“つながる”と“止める”の境界線はどこにあるのか、その仕組みを一緒に学んでいきましょう。
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