
UNIX Cafe | 第39回
名前の向こう側へようこそ!
ミナちゃん先生、URLって ‘名前’ ですよね?
でも、その名前がどうやって“数字(IPアドレス)”に変わるんですか?



いい質問だね。その“変換”を教えてくれるのが nslookup と dig なんだよ。どちらも DNS のしくみをのぞける、とても便利なコマンドなんだ。



DNS のしくみって、なんだか難しそう…。



大丈夫。今日はやさしく、カフェのテーブルを囲みながら見ていこう。
まずは nslookup を使ってみよう
基本の nslookup コマンド
bash
$ nslookup google.com


わっ、IPアドレスが表示されました!
これが『google.com の住所』なんですね?



そう。DNSサーバーに “この名前の住所を教えてください” と聞くのが nslookup。じつは、普段ブラウザを開くときも、裏側で同じことをしているんだ。
逆引き(IP → 名前)もできる
bash
$ nslookup 8.8.8.8


数字から名前も調べられるんですね!



うん。これを “逆引き” といって、IPアドレスの正体を確かめたいときに便利なんだ。
dig をもっと深く使ってみよう
dig の基本
bash
$ dig google.com


nslookup より情報がいっぱい…!
これはちょっと詳しすぎるかも…?



dig は DNS をより深く知りたい人向けなんだ。
でも大事なのは “ANSWER SECTION” の部分だけを見ればOKだよ。
答えだけほしいとき(+short)
bash
$ dig google.com +short


わぁ!必要な数字だけ出てきました!



これは本当に便利。
スクリプトで DNS をチェックしたい時にも使われているよ。
NS(ネームサーバー)を調べる
bash
$ dig google.com NS


この “NS” って何ですか?



その名前を管理している“管理者サーバー”のことだよ。
どこがそのドメインの面倒をみているか分かるんだ。
nslookup と dig で何がわかるの?
- Webサイトの“本当の住所(IPアドレス)”
- どのDNSサーバーが答えているか
- 名前が解決できない原因
- プロバイダやルーターの DNS 問題の見極め
- サイトの管理者情報(NSなど)



名前の裏にはいろんな情報が隠れているんですね!



DNS は“インターネットの電話帳”みたいなものだからね。
nslookup と dig は、その電話帳をのぞける小さな窓なんだ。
まとめ



nslookup は“やさしく調べる道具”。
dig は“深く調べる道具”。
どちらも DNS の世界を知るための大切な仲間なんだ。



名前の向こう側が見えるなんて、なんだかワクワクします!



次は、インターネットを守る“ポート”と“ファイアウォール”のお話をしてみようか。
次回予告



次は “つながる” と “止める” その境目がどこにあるのか、いっしょにゆっくり学んでいこうね。仕組みがわかると、ネットワークの世界がぐっと身近になるよ。







