
UNIX Cafe | 第38回
ネットの“道のり”が見えてくる、小さな冒険のコマンド
目次
traceroute ってどんなコマンド?
ミナちゃん先生、ping の次は何を学べるんですか?



今日はね、インターネットの旅をのぞける“traceroute”をやってみよう。



旅…ですか?



うん。あなたが google.com にアクセスするとき、その“道のり”を一つずつ追いかけることができるんだ。
まずは実行してみよう
macOS(Homebrew)
bash
$ traceroute google.comLinux(Ubuntu / Debian)
bash
$ traceroute google.com
# または
$ tracepath google.com


うわぁ……なんだか数字がたくさん出てきました! これが全部“道”なんですか?



そう。これは“ホップ”といって、あなたのパソコン → 自宅ルーター → プロバイダ → インターネットの機器…と、どんな経路を通っているかを順番に見せてくれるんだ。
出力の見方をやさしく知ろう
Hop(ホップ)とは?
- ネットワーク機器(ルーター)を1つ通る=1ホップ
- 最初は自宅ルーター、次にプロバイダ、その先はインターネットの道
応答時間(ms)の意味
- 回の “つながったよ!” の返事にかかった時間
- 数字が小さいほどスムーズ
* * *と表示される場合は応答しないルーター



じゃあ、この* * *は?



これは返事をしない設定の地点だよ。応答しないからといって、故障とは限らないんだ。



なるほど…!
数字だけなのに、まるで旅の記録みたいですね。



その通り。
ネットの外側には、想像以上にたくさんの地点があって、
静かにあなたのデータを運んでくれているんだ。
ちょっと便利なオプション
送るパケットの数を変える(Mac)
bash
$ traceroute -q 1 google.com


各ホップの試行回数を1回だけにして見やすくするよ。
パケットサイズを指定する
bash
$ traceroute -w 2 google.com


返事を待つ時間を 2秒 にする設定よ。
のんびり待たず、サッと結果を知りたいときに便利なの✨



長く待たなくてもよくなるんですね!
traceroute を使うと何がわかる?
- ネットワークの“どこで”遅くなっているのか
- どの地点で返事が途切れるのか
- 海外サイトと国内サイトの“道の違い”
- プロバイダやルーターの調子の目安



道の途中で渋滞している場所が分かるんですね!



まさにその通りだよ。
まとめ



traceroute は、インターネットの裏側にある“見えない道”をやさしく教えてくれるコマンドだよ。数字の向こうには、世界中をつないでくれるルーターたちが静かに働いているんだ。



ネットワークって、知らない道をたどる冒険みたいでワクワクしますね!
次回予告



次は“名前とIPのひみつ”を調べる旅に出かけよう。
nslookup と dig の世界だよ。







