
UNIX Cafe 第106回
はじめに|その声、ちゃんと届いていますか?
山に向かって大きな声で叫ぶと、
少し遅れて返ってくる「やまびこ」。
「聞こえてるよ。」
そんな返事のように感じたことはありませんか?
ターミナルの世界にも、
同じように“声を返す”コマンドがあります。
その名は echo(エコー)。
今日は、
あなたの声をターミナルに届けてみましょう。
まずは声を出してみる
一番シンプルな使い方です。
echo 'Hello, world!'実行すると、こう表示されます。
Hello, world!たったこれだけ。
とても簡単です。
でも、この「これだけ」が、とても大事なのです。
echo とは?
echo は、
「この言葉を表示して」
という命令です。
コンピューターに何かを伝え、そのまま画面に返してもらう。
それが echo の役割です。
echoは “確認”の道具
echo は、ただ遊ぶだけのコマンドではありません。
実は、「今どうなっているか」を確認するための、とても重要な道具です。
例えば、こんなことができます。
name='Mina'
echo $nameすると、
Minaと表示されます。
ここでのポイントは、$(ドルマーク)。
これは「中身を教えて」という意味です。
変数の中身を確認するとき、
echo は欠かせません。
少しだけ応用してみよう
echo には、ちょっとした便利な使い方があります。
改行しない echo
通常、echo は表示の最後に自動で改行(Enter)を入れます。
echo 'Hello'
echo 'World'出力:
Hello
World1行ずつ、きちんと改行されています。
でも -n を付けると、改行しません。
echo -n 'Hello'
echo 'World'出力:
HelloWorld-n は「改行しない」という意味です。
つまり、
- 普通の echo → 最後に改行する
- echo -n → 改行しない
という違いがあります。
小さな違いですが、
スクリプトでは表示の見え方をコントロールできるため、とても重要です。
言葉をつなげてみる
次は、文章を「つなぐ」場合の書き方です。
echo 'Hello,' 'world!'出力:
Hello, world!このコマンドでは、
"Hello,""world!"
という 2つの言葉 を並べています。
echo は、並べられた言葉を
- 左から順番に
- 半角スペースをはさんで
- 1行にまとめて表示します。
つまり、
'Hello,' + スペース + 'world!'が合わさって、
Hello, world!になる、という仕組みです。
スクリプトの中の echo
echo は、裏方の主役です。
例えば、自動処理の途中でこんな表示を出すことがあります。
echo 'Backup started...'これは、人間への合図です。
コンピューターは黙々と働きます。
でも echo があれば、
- 今、作業を始めたよ
- ここまで終わったよ
と教えてくれます。
返事があると、少し安心できます。
よくあるつまずきポイント
$を付け忘れる" "と' 'の違いを知らない- echo だけで変数を作れると思ってしまう
echo はシンプルですが、奥が深いコマンドです。
ターミナルに興味を持った方は、こちらの記事も参考にして下さい。

やまびこの正体
山で声が返ってくるのは、
音が反射して戻ってくるからです。
echo も同じ。
あなたが入力した言葉を、
そのまま返してくれます。
それは、
「ちゃんと受け取ったよ」
という合図。
まとめ|声を出せば、世界は返す
- find → 場所を探す
- grep → 中身を探す
- echo → 声を出す
UNIXは、
探して、見つけて、伝える世界です。
echo は、その中でも
いちばんやさしい入口。
まずは、
echo 'Hello, world!'から始めてみてください。
その一行が、
あなたとコンピューターの最初の会話になります。
そして、その声がどこから来たのかを知りたくなったら……
次は、空の冒険へ。
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