
やさしいプログラミングの世界 | 第8回
同じ仕組みに、ちがう未来を託せるようになった日
自分だけの仕組みを、
名前をつけて呼び出せるようになったとき、
プログラムの世界は、少しだけ「会話」に近づきました。
けれど、まだその仕組みは、
いつも同じ動きをくり返すだけでした。
あるとき、人は、こんなことを思いはじめます。
「同じ仕組みでも、
そのときどきで、ちがう動きをしてくれたらいいな」
この章では、
この願いが叶う、「材料を渡す」という
やさしい仕組みを、そっとのぞいていきましょう。
仕組みはできた。でも、何かが足りなかった
前回の学習で、私たちは、自分だけの「仕組み」を作れるようになりました。
名前を呼べば、中に詰まった動きが、いっせいに動き出す。
それは、とても便利で、とても心強いものでした。
けれど、その仕組みは、いつも、決まったとおりにしか動きません。
- 毎回、同じ
- いつも、同じ道
- いつも、同じ景色
そんなとき、人の心に、小さな願いが生まれます。
「今日は、少しちがう動きにしたいな・・・」
同じ道を歩いているのに、その日の気持ちで、景色が変わってほしい。
そんな願いが、静かに生まれた瞬間でした。
仕組みに「材料」を渡せるようになる
たとえば、料理には「レシピ」があります。
同じレシピでも、入れる材料が変わると、
味は少しずつ変わります。
- 甘くなったり
- さっぱりしたり
- やさしい味になったり
プログラミングの世界でも、
まったく同じことが起こります。
仕組みはそのまま。
でも、そこへ渡す「材料」が変わると、結果も、自然に変わっていく。
この「仕組みに渡す材料」のことを、
プログラミングでは、「引数(ひきすう)」と呼びます。
「これを使って」と渡すということ

言葉を渡す
「この言葉を表示してね」
そんなふうに、言葉をそっと手渡すことができます。
数を渡す
「この数を使って計算してね」
そう言えば、仕組みは、その数に合わせて動きます。
回数を渡す
「これを、3回くり返して」
そんなお願いも、材料として渡すことができます。
引数とは命令ではなく、仕組みにそっと添える、小さなおくりものなのかもしれません。
同じ仕組みなのに、ちがう未来が生まれる
同じ仕組みを呼んでいるのに、
渡すものがちがうだけで、進む道が変わる。
ひとつの道だったはずの世界が、
少しずつ、ちがう風景を見せはじめます。
- 今日は、明るい道へ
- 明日は、静かな道へ
仕組みは変わらないのに、未来が変わる。
この瞬間プログラムは、ただの命令の集まりではなく、
生きもののような動きを、そっと持ちはじめるのです。
仕組みが変わったわけではなく、変わったのは、渡したものだけでした。
引数は、仕組みと世界をつなぐ「窓」
仕組みの内側には、
- 計算があり
- 判断があり
- くり返しがあります
でも、それだけでは、
世界とつながることができません。
引数は、
その「内側」と「外側」をつなぐ、
小さな窓のようなものです。
人の思いが、その窓を通って、
仕組みの中へ、そっと届けられる。
だから引数は、
仕組みが世界と会話するための入口
なのかもしれません。
材料を渡せると、仕組みは一気に自由になる
ひとつの仕組みで、
たくさんの役割を、果たせるようになります。
- 10通りの動き
- 100通りの結果
- それ以上のまだ見ぬ未来。
引数があるだけで、
仕組みは、
- 「使い回し」から、「応用」へと進化します。
ここで、プログラムは、
ぐっと広く、ぐっと自由な世界へ、
足を踏み入れるのです。
仕組みから、「答え」が返ってくる
材料を渡せるようになった仕組みは、
やがて、「答え」を返すようにもなります。
- 計算の結果
- 判断の結論
- 選ばれた道
次の章では、
この「仕組みから返ってくる答え」を、
やさしく見ていきましょう。
世界との会話は、
いよいよ、双方向になっていきます。
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