
やさしいプログラミングの世界 | 第12回
くり返しが、世界を動かしはじめた日
一度きりの動きだった世界は、くり返しの力を手に入れ、
同じ景色を、何度でも描けるようになりました。
朝が来て、夕方が訪れ、
そしてまた、次の朝がやってくる。
当たり前のように続く時間も、見えないところでは、
同じ流れが、何度も、何度も、くり返されています。
この章では、
「くり返しの力が、世界をどう変えたのか」 を、
もう一度、静かに見つめていきます。
世界は、一度きりでは足りなかった
もし、すべての出来事が、一度きりで終わってしまったら。
- 朝は一度だけ
- 笑顔も一度だけ
- 成長も一度だけ
きっと、世界は、とても寂しい場所になってしまいます。
プログラムの世界も、最初は、同じでした。
- 動いて、終わる
- 表示して、終わる
- 計算して、終わる
それはそれで、立派な一歩でした。
けれど、どこか、心細くもありました。
「もう一度」が生まれた瞬間
あるとき、世界は新しい言葉を覚えました。
「もう一度」
この言葉が生まれた瞬間、
世界は、静かに姿を変えはじめます。
動いて、終わり。
ではなく、
動いて、
また動いて、
さらにもう一度動く。
くり返しは、世界に継続する力を与えました。
同じ景色が、何度でも戻ってくる
くり返しがあると、景色は、戻ってきます。
プログラミングでは、この「くり返し」のことを、そっと「ループ」と呼びます。
- 朝の光
- 夜の静けさ
- いつもの帰り道
- いつもの画面
同じ景色なのに、どこか、前と少しだけちがって見える。
それは、見る側の私が変わっているからなのかもしれません。
くり返しは、時間を生み出した

一度きりの動きには、「時間」はありません。
けれど、同じ動きが、何度もくり返されると、
そこに、はじめて時間が生まれます。
- はじまりがあり
- 途中があり
- 終わりがあり
- また次のはじまりが来る
くり返しは、世界に呼吸のようなリズムを与えました。
世界は、勝手に動いているのではなかった
画面の中で、くり返される動き。
それは、世界が勝手に動いているのではなく、
誰かが「また」と伝えているから生まれているのです。
その「誰か」は、
いま、この世界の前にいる、あなたかもしれません。
そして、その「また」は、コードの中では、そっと書き添えられた一行の言葉です。
同じ景色を描ける、という自由
同じ景色を、何度でも描けるということ。
それは、退屈になるということではありません。
- 「やり直せる」
- 「試せる」
- 「もう一度挑戦できる」
という、とてもやさしい自由です。
くり返しは、世界をこわさずに育てる力
新しいことに挑戦するとき、
世界はときどき、思い通りに動いてくれません。
でも、くり返しの力があれば、
- まちがえても
- 止まっても
少し戻って、またやり直すことができます。
くり返しは、世界をこわす力ではなく、
世界をやさしく育てていく力 なのです。
次の世界へ ― まちがえても、世界はこわれなかった
同じ景色を、何度でも描けるようになったとき、
私たちは、ひとつ大切なことに気づきはじめます。
「まちがえても、 この世界は、すぐにはこわれない」
次の章では、
その 「まちがい」と「世界の強さ」 について、やさしく見つめていきます。
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