
UNIX Cafe 第104回
Macの中の「探し物」を3回まばたきする間に見つける方法
「あのWi-Fiのパスワード、どこに書いたっけ?」
新しいパソコンを買って帰って「Wi-Fi教えて」と言われた瞬間に、
頭が真っ白になる。
確か、メモに保存したはず。
でも、ファイル名が思い出せない。
Macの中には、テキストファイルやPDFがどんどん増えていきます。
最初は整理していたはずなのに、
- とりあえず保存
- 名前はあとで付けよう
- デスクトップに一時退避
そんな小さな積み重ねで、「どこにあるか分からない」状態が生まれます。
Spotlightで検索しても、
ファイル名を思い出せなければ見つからない。
でも実は、Macには標準で、
ファイル名ではなく「中身」から探せる達人が住んでいます。
その名は、grep(グレップ)。
今日は、この小さな魔法を、
あなたの日常に取り入れてみましょう。
ファイルを開かずに「中身」を探す
Wi-Fiのパスワードを探すとき、
思い出せるのはファイル名ではなく「中に書いた言葉」ではないでしょうか。
たとえば、「WiFi」や「SSID」という単語。
そんなとき、ターミナルでこう打ちます。
grep "WiFi" *これだけで、フォルダ内のすべてのファイルを一瞬で読み込み、
「WiFi」という言葉が含まれている行と、そのファイル名を表示してくれます。
ファイルをひとつひとつ開く必要はありません。
まるで、本棚を全部めくる代わりに、
目当てのページだけが光って浮かび上がるような感覚です。
言葉の核心:grepとは?
grepは、
g/re/p(Global Regular Expression Print)
という古いUNIX操作に由来します。
意味はとてもシンプル。
全体から、条件に合うものを、探し出して表示せよ。
シンプルにただ、「探す」だけのコマンドです。
うろ覚えでも大丈夫(-i オプション)
「wifi」だったか「WiFi」だったか。
そんな細かい違いで見つからないのは、もったいないですよね。
そんなときは、-i を付けます。
grep -i "wifi" *これで、大文字小文字を区別せずに探せます。
「細かいことは気にしないよ。似ているものを全部持ってくるね」
そんな感じです。
フォルダの奥までひっくり返す(-r)
Wi-Fiのメモは、
「書類」フォルダの中の「設定」フォルダの中にあるかもしれません。
そんなときは、再帰検索。
grep -r -i "wifi" .最後の「.」は、「今いる場所から下、全部」という意味です。
フォルダの奥の、そのまた奥まで、
grepが探しに行ってくれます。
ファイル名だけを絞り込む
「ファイル名にwifiと付けた気がする」
そんなときは、こんな使い方もできます。
ls | grep -i "wifi"ls で一覧を出し、
その結果を grep に渡して絞り込みます。
コマンド同士がバケツリレーのように協力します。
これがUNIXの美しいところです。
ターミナルに興味を持った方は、こちらの記事も参考にして下さい。

ちょっとだけ大事な注意
ここでひとつだけ。
実際のパスワードを平文で保存するのは、あまりおすすめできません。
テキストファイルは「読める状態」で保存されています。
もしMacを他人が触れたり、悪意あるソフトに読まれたりしたら、そのまま見えてしまいます。
Macには「キーチェーンアクセス」という安全な保存場所があります。
パスワードは安全な場所へ。
grepはメモや文章探しに使う。
このバランスが安心です。
まとめ|探し物の時間を減らす
探し物の時間は、本来、
あなたが何かを生み出すための時間だったはずです。
grepという小さな道具を使うだけで、
- ファイル名を思い出せなくても
- フォルダの奥に埋もれていても
- うろ覚えでも
ちゃんと見つかります。
日常の小さな「不便」を、
知的な工夫で解決する。
その楽しさを知ったとき、
あなたのMacは、ただの「パソコン」から、
頼もしい「相棒」へと変わります。
そして、この探し物の魔法に慣れてきたら、
同じgrepを使って、
あなたのサイトに残された「足跡」を、ログから見つけ出すこともできるのですが。
それは、また次のお話。
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