
やさしいプログラミングの世界 | 第13回
世界が、時間を持ちはじめた日
世界は、くり返しの力を手に入れました。
一度だけだった動きは、「もう一度」という言葉を覚え、
同じ景色を、何度でも描けるようになったのです。
朝が来て、夕方が訪れ、そしてまた朝が来るように。
止まらずに続いていく時間の中で、
世界は、静かに、でも確かに動き続けています。
この章では、そんな 「くり返しによって生まれた時間の流れ」 を、
やさしく見つめていきましょう。
一度きりだった世界が、動き続けるようになった
最初のプログラムは、「一度動いて、終わる」世界でした。
- 表示して
- 計算して
- 止まる
そこには、“次の瞬間” は、まだありませんでした。
けれど、くり返しという力が生まれたとき、
世界は、ただの一瞬から、「続いていく流れ」へと変わりました。
- 終わっても、また始まる
- 止まっても、また動き出す
世界は、ここではじめて、
息をするように動き続ける存在 になったのです。
「また同じことをしてね」と言えるようになった日
くり返しが生まれたことで、
人は、こう伝えられるようになりました。
「それを、もう一度してね」
「終わったら、また最初からお願いね」
これは、ただの命令ではありません。
時間を預ける言葉 です。
くり返しとは、
世界に「続いていいよ」と許すこと。
そのひと言で、
プログラムは、止まらなくなります。
同じ景色を、何度でも描けるということ
同じ動きを、
何度も、何度も、くり返す。
それは一見、
変化のない世界のようにも見えます。
でも実は、
くり返しの中には、
少しずつ違う「今」が積み重なっています。
- さっきの一歩
- 今の一歩
- 次の一歩
同じ形をしていても、
重なっていく時間は、すべて新しいものです。
同じ景色を描き続けることは、
時間を描き続けること なのかもしれません。
世界は、くり返しの中で育っていく

くり返しは、
ただの「便利な仕組み」ではありません。
- 練習も
- 成長も
- 習慣も
すべては、
くり返しの中で生まれます。
プログラムも同じです。
一度動いて終わる世界より、
何度も動き続ける世界のほうが、
- ずっと多くのことを学び
- ずっと多くの姿に変わっていきます
世界は、
くり返しの中で、そっと育っていくのです。
止められるから、安心して動き続けられる
くり返しには、
もうひとつの大切な性質があります。
それは、「止められる」 ということです。
- ここまで来たら止める
- この数になったら終わる
- この合図でおしまいにする
終わりが決められているからこそ、
世界は、安心して動き続けられます。
終わらない不安の中では、
世界は壊れてしまいます。
でも、
ちゃんと止められるくり返しは、
世界を、長く、やさしく守ってくれるのです。
同じ景色を描ける ― それが意味するもの
同じ景色を、何度でも描けるようになった。
それはつまり、
- 世界を再現できるようになった
- 世界を試せるようになった
- 世界をつくり直せるようになった
ということです。
ここで、プログラミングの世界は、
「偶然の一回きり」から、「考えて育てていく世界」へと変わりました。
世界はもう、一度きりではありません。
何度でも、描き直せる場所になったのです。
まとめ
世界が「くり返し」を知ったことで、
プログラムははじめて、時間を持ち、
同じ動きを何度も試せるようになりました。
これは、
- 成長できる
- 試せる
- やり直せる
という、やさしい仕組みが生まれたということです。
次の世界へ ― まちがえても、世界はこわれなかった
けれど、
何度もくり返せる世界には、
必ず、こういう瞬間もやってきます。
- 「まちがえてしまった」
けれど不思議なことに、
世界は、すぐには壊れません。
次の章では、「まちがい」と「やり直し」 が、
どのように世界を守っていたのかを、
やさしく見ていきましょう。
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